黄金のプチねた＃66カラオケ

　冬木市新都のカラオケ店に、言峰薫が一人で入る。
　個人で部屋を一つ取り、リモコンで歌をセレクト。マイクを手に取り小指を立てる。
　ディスプレイに映像が表示され、音楽が流れ始めた。
　しかし薫はディスプレイなど見てはいなかった。

　〜〜　エア〇マンが倒せない　〜〜

　ちゃらん、ちゃらん、ちゃらん、ちゃららら〜♪

「気ーがー付いーたらー　いつも　いつも　王様を追い
　そして今日も　夕日が暮れていくー
　ある休日　彼とおー出ーかーけー　実質デートか　だーけど私は子供ー
　女の魅力があれば、ギルも綺礼もゲットでーすーけーどー
　私の心は　中身は漢（おとこ）だ　魂・だ・け・は、譲ーれない
　お願いだから、せめて下着は　選ばせて
　シスタぁーの　格好してても　これは本当はコスプレ！
　胸が膨らんで　きてもそいつは　脂肪細胞の無駄遣い!!
　だけど綺礼に　叱られぬために　私　枝毛のケアは毎晩　やって寝るぅぅぅううう!!!」

　ふっふっふ。薫は一人、青筋を立てて嗤った。

「教会なーのにー　時々、誰もいーないー
　そして二人の姿も気配もなーい
　魔術の力　使い探してみーれば　そこには　閉鎖・結界が　あーったー
　考えなくても判る　悪巧みだろ　あの二人、まただーよ
　まったく懲りない　言峰綺礼め　ギ・ル・ガ・メッ・シュ・め！
　おー願い　だから私に　平和な日常ください
　カレイド・ステッキ　貴様はあの世で　血の池地獄に浮いてろ!!
　遠坂凛も　プライドあるなら　クレープ私にたかるな!!!
　だけど私は　生きていくために　今日も　魔界のような教会で暮らしてくぅぅぅううう!!!」

　WOOOOOOOOOOO!!!　体を仰け反りシャウトする。

「健気に尽くしてみても　彼はセイバーばかりを見ーてーいーる
　お酒を注いでも　足下で寝ても　王様、ふ・り・む・い・て・くーれない
　何が駄目です　セイバーなんて真っ平ら（言い過ぎ）
　どんなに努力　繰り返しても　私じゃセイバー倒せない！
　万一聖杯　降臨したらなら　こんな世界は　滅びちゃう!!
　だから私は　ここにいるために　アゾット剣とドリルを　最後にとっておくぅぅぅううう!!!」

　い・ま・に・み・て・い・ろー♪

　ちゃらん、ちゃらん、ちゃらん、ちゃららら〜♪

　額の汗をぬぐい取り、薫はドリンクに手を付けた。

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あとがき
　さすがに他の話と繋げられません（笑）
　他の人も歌いに来るかもしれません（おいおい）
2009.2.16th