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黄金のプチねた#112リロード

 薫は両手に銃を持ち、まずは右の引き金を引き絞る。
 カチ・カチ・カチ。
 弾は入っていないので、撃鉄のみが音を出す。
 再び右手の銃を撃つ。
 カチ・カチ・カチ。

 ──── カチン ────

 右手の拳銃、MR73で三点バースト(三連射)を繰り返したその直後、左手の拳銃、G2コンテンダーの引き金が引かれ撃鉄が小さく音を立てた。

 六連発リボルバーMR73。単発拳銃のG2コンテンダー。あわせても弾は7発。しかしこれはこれで良い。
 使用するのは聖別した岩塩弾と、槍先を模したタングステン鋼の芯に、聖歌を刻んだ銀のリボンを巻いて成形したライフル弾。
 霊体にショックを与える拡散聖別弾で動きを止めて、障壁突破力高い聖槍弾で撃ち殺す。神秘の効果が打ち消されても、防弾チョッキを引き千切るライフル弾が撃ち殺す。
 薫なりに考えた、異端狩り系『魔術師殺し』の装備である。
 弾数は少ないが、七発も撃って殺せないなら、その作戦行動は失敗なのだろう。数が撃ちたきゃ自動小銃(アサルトライフル)か短機関銃(サブマシンガン)そうでなければ機関銃(マシンガン)でも使えばいい。
 とはいえだ。何か弾数を増やす手を考えておくのも悪くないかもしれない。

・つなぎにガンド(呪弾)を撃つ。……残念ながらガンドは強くない。却下。
・ピストルをもう一つ。……サブマシンガンにしろ。邪魔。却下。
・オートマチックにすれば弾数が増える。……装填数が欲しいというより再装填の手段が欲しい気がする。却下。

「そうだ!」
 薫はポンと手を打った。

 〜〜〜 少々時間が経過しました 〜〜〜

「これでよし!」
 二つの銃を再び構える言峰薫。不敵な笑顔で見つめる先は自分の右腕。そこにいるのは薫の使い魔たるヒキガエルだ。
 ヒキガエルは後ろ足で薫の腕にしがみつき、両手でスピードローダーを抱えていた。
「とりゃ!」
 カチカチカチ、カチカチカチ。
 六連射の後、薫は素早く排莢する! すかさずカエルさんがスピードローダーで弾をセットし、ローダーを引っ込めた。
 パチン。
 回転弾倉に再び六発の弾丸が装填された。

 ──── 完璧だ! ────

「でも何か違う気がする」
 あれー。と首を傾げながら、薫はヒキガエルを藪に戻した。


あとがき
・かえるさんローダー。分類:装填魔術?
 使い魔を利用し、リボルバー拳銃の弾丸装填を片手で行うクイックロード魔術。ということにしておこう(笑)
2010.8/3th

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