黄金のプチねた#108爆発します
冬木教会、地下礼拝堂の片隅で言峰薫が木箱を開けた。
バールを使ってこじ開ける。メキメキと板をはがして、箱の中から金属ケースを取り出した。
更に開けると顔を出すのは手榴弾。ピンを抜き、信管を抑えるカバーが取れると少しして爆発するアレである。
手にしたそれをしげしげ見詰める薫を、言峰綺礼は後ろからなんとはなしに眺めていた。
拳銃・ライフル・機関銃、そして対物狙撃銃。
近代兵器にも関心をもつこの娘は、とうとうエクスプロッシブ・ウェポンにも手を出すようだ。
ミサイルは高価過ぎて控えるようだが、手榴弾とロケットランチャーは必須だそうだ。
凛にはさんざん文句を言われたが、自分のせいではないだろう。綺礼は一人、苦笑した。
見ると薫は手榴弾を片手にマジックペンを持っている。呪文かシジル(印契)でも描くようだ。
火星のシジル。火の三角。それとも天使の神名か?
薫はペンのキャップを外し、キュッキュと素早く動かした。
──── イオラ ────
「おじさま、ちょっと裏の森に行ってきます」
「待て。薫、お前は何をするつもりだ」
さすがに綺礼は呼び止めた。
あとがき
イオラにもお世話になりました(違う)
2010.8/2th