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黄金のプチねた#29おとも
光と風が気持ちいい、お昼下がりの日曜日。教会居住棟の裏手に言峰薫が現れて、洗濯物を集め出す。
洗濯ばさみを弛めていって、お日様の匂いが付いたタオルの肌触りなどを堪能する。
ふと見ると、藪の影に輝く瞳が二つある。暗い影に光る金ピカの輝きは、実は薫の顔なじみ。
「黒猫さん、こんにちわー」
薫の声に、藪の中から一匹の黒猫(推定・住所不定、無職)が姿を現す。
抜き足、差し足、忍び足。むむむ、今日も見事な足捌き、こいつはスキル:気配遮断を持っているに違いない。
やるじゃねえか! おのれ野良猫、人の苦労も知らんと毎日が日曜日かよこの野郎。
初等部なのに会社勤めの女の子、言峰薫は心の中で嫉妬した。
にゃー。
ふっふっふ。などと不気味に笑っていたのだが、猫の声に我に返った言峰薫。見下ろすと黒猫さんが不思議そうにこっちを見上げているのです。
ちょっと考え、その場にしゃがむ。そして猫の手を取って、二本足で立たせてみたりする。
前足(右)を左右に振って。
「よろしくニャー」
などと言ってみる。猫はじっとこちらを見ている。自分でやってほんの少し後悔した。あははと苦笑し手にした猫の足を降ろそうとしたその時だった。
「「くっくっくっくっく」」
壁の向こうからくぐもった笑い声が漏れ出した。
何ッと薫が振り向くと、にゅっと頭を出したのは言峰綺礼とギルガメッシュ。なにやってんだ?! そこのマスター&サーヴァント!!!
「また見られたぁぁぁあああ! うわぁぁぁああああんっ!! 旅に出てやるぅぅぅううう!!!」
薫はタオルで黒猫を包み込み、森の方へと駆けだした。
「ククククククク、夕食までには帰ってこい」
「ハハハハハハハ、どうせなら飛竜でも狩ってくるのだぞ」
保護者の声を背中に受けて、薫はうわーんと声を上げ、それを聞いて神父と王様は再び笑い出した。
2008.7/2th
モンスターハンター、ポータブル・セカンドG.というゲームがありまして、オトモ・アイルーという猫を引き連れて狩りに出かけるお助けシステムがあります。ちなみに管理人(私)は爆弾猫がお気に入りです(猫が爆弾を投げてくれます。自キャラもよく吹き飛ばされますがw)
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