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黄金のプチねた#118テーマソング

「ふふふふふーん、ふっふーんふふーん。ふふふん、ふーふふーん」
 教室の窓際で言峰薫が鼻歌を口ずさむ。そのメロディは楽しげで、どことなく華やかだ。
「なぁに薫。ご機嫌じゃない」
「あっはっは。これぞ凛のテーマソング。私はついに見つけたのです!」
 グッと拳を握っている。
「私の?」
 何の曲かと聞く前に「ちょっと花摘み」と出て行く薫。そこで凛は聞いてみた。
「ねえ美綴さん。〜♪ 〜♪ って曲を知らないかしら」
「知ってるよ。なんだ、遠坂も映画くらいは観るんだな」
「映画なの?」
「観たんじゃないのか。マテリアルガールの主題歌だろ、それ」
「マテリアルガール。うふ。うふふふふ。そーかー『マテリアル・ガール』かぁ」
 不気味に笑い出した遠坂凛から、美綴綾子は距離を取る。
「あれ、どうしたんですか美綴さん、ふにゅ?!」
 凛は戻った言峰薫の頬をつまんで引き伸ばす。
「言峰さん?」
「何れふか凛。痛いれふよ」
「だ・れ・が・マテリアルガール(物欲の強い女の子)なの! かし!! ら!!!」
「ええー、ろうしてこんなに早く?! はっ、みつじゅりしゃんれふか?! 裏切ったんれふれ?!」
「いや、裏切ったとか言われてもね」
「薫、貴女には教育が必要ね」
「痛いれふー。ごめんなさひー」
 言峰薫は謝るが、しかしあくまは許さない。

 遠坂凛。深窓のお嬢様とは思われなくなりつつある悲劇の少女である。


あとがき
 でも『言峰薫のお姉さま』とは呼ばれるでせう。
2011.2/25th

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