トップ Profile オリジナル小説 二次創作トップ 頂き物・絵 頂き物・Text 掲示板 メール リンク ぶろぐ日記
黄金のプチねた#110吸血鬼フォーマル

「じゃじゃーん! 凛、これを貴女にあげましょう!」
 言峰薫が手にしているのは黒マント。遠坂の家は吸血鬼の家系だからと彼女は言って、こんなものを持ってきた。
 薫は黒いマントを自ら纏い、フフフと不敵に笑ってみせる。
 凛は頭が痛くなる。
「説明しましょう。このマントのコンセプトはズバリ『吸血鬼』です。肩パットが魔術礼装の本体で、狼の毛皮を十体分と、コウモリの毛皮を二百匹分を変化魔術で一体化させました。起動して操作すればマントは解け、狼となりコウモリとなって敵に襲いかかるのです。どうです?! まさにロマンでしょう?」
 凛は額に手をやって、指で眉間を揉み出した。
「一枚一枚の毛皮を呪符化して、毛皮のみのフレッシュ(生肉)ゴーレムみたいな感じに加工しました。素晴らしいでしょう?」
 言峰薫はご機嫌である。そして凛の額に青筋がうっすら浮かんだ。
「一枚ずつに針を付けたので、吸血機能もあるのです。まさにヴァンパイア。私では近くで飛ばせるくらいしか出来ませんが、凛、貴方なら冬木の夜の支配者となること間違いありません!」
 そう言い薫は、黒マントを凛の肩にひっかけた。そして「似合ってますよ」とはしゃぎ出す。
「ねぇ薫?」
 凛は弟子の魔術師、言峰薫の肩に手を置いた。
「なんですか? って、痛い痛い痛い。指が、凛、指が食い込んでます痛い痛い」
 弟子の肩を強く強く握り締めた。
「薫。あんたは私にいったい何を期待しているのかしら、ねぇぇぇえええ?!」
「ちょ、凛?! 痛いです! 本気で痛いですよ?! 凛? りーんっ?!」
「薫。あんたは自分が教会の子だってことを思い出しなさい! それからウチも代々信者なの!」
「え? そうでしたっけ? 嘘です! イッツ・ジョーク!」
 この日、ごめんさないと泣いて謝るまで、凛の手が薫の肩を抑えたままだった。


・吸血鬼マント(仮)分類:魔術礼装
 ヨーロッパ狼の毛皮十枚、コウモリの毛皮二百枚を材料に、一枚ずつ全てを簡易フレッシュ(生肉)ゴーレムに加工し、変化魔術で一枚のマントに擬態・変形させた黒マント。
 装着者が念じると毛皮は解け、狼やコウモリとなって操れる。
 一枚一枚の毛皮ゴーレムには牙の代わりに針があり、攻撃力は低いが擬似的に吸血行為が行える。
 目(ウォッチャー)として放てば数百の視界が得られるが、魔力の遠隔操作が苦手な薫では近くで飛ばして遊ぶのが限界なオモシロ礼装扱いとなる。
 クロスオーバー用アイテムなので、どこかで出てくるかもしれません。
2010.8/2th
トップ Profile オリジナル小説 二次創作トップ 頂き物・絵 頂き物・Text 掲示板 メール リンク ぶろぐ日記
inserted by FC2 system