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黄金のプチねた#86ナイフとフォーク

 ファーストフードのお店の二階。窓際の席の一つに遠坂凛が腰掛ける。
 トレイに載るのはハンバーガー。それだけならば普通だが、フォークとナイフが添えられる。
 凛は始めにバンズを直に手に取った。この時点なら手でつかんでもいいのです。お皿の隅に、上のバンズをちょっと置く。
 そしてソースのチューブを取り上げて、それをパティに振りかける。それからバンズを戻して置いた。
 この瞬間、ハンバーガーは完成した。よってこの先、手づかみは厳禁である!!!
 フォークでそっと押さえ込み、ナイフで真っ直ぐ切り込んだ。一度ナイフは抜き取って、フォークを今度はブスッと刺して、再びナイフを切り入れる。
 一口サイズを切り分けて、フォークでもって持ち上げる。

 ──── ぱくっ ────

 もぐもぐ、ごっくん。
「なによ薫、私の顔に何か付いてる?」
 向かいの席で、チーズバーガーを手にした言峰薫が驚愕に顔を歪めていた。
「くっ! ハンバーガーをフォークとナイフで食するとはさすが遠坂と言っておきましょう! おのれ金星人め!」
「誰が金星人よ、誰が。貴女だって、フォークとナイフくらい普通に使うでしょう?」
「いいですか凛、普通の日本人はハンバーガーをフォークとナイフで食べたりはしないのです」
 言って薫はチーズバーガーを小さくちぎり、一口サイズを口にした。
「薫、別に直接かぶりついてもいいんじゃないの?」
「はっ?! しまった!」
「……別に失敗した訳じゃないと思うわよ」
 直接食べ物にかじりつくのを「下品」とするのは基督教的なやや古い考え方だ。教会暮らしももう長い。綺礼はあれで、厳格だ。きっと躾は厳しいのだろう。
「のぉぉおお。私の庶民スピリッツがぁぁああ」
「なによそれ。いいから食べちゃいなさい」
 言われて薫はモグモグとチーズバーガーを囓りだした。


あとがき
 ナイフとフォークでハンバーガーを食べる作法はこれでいいはずです。やってみましょう(笑)
2009.10/1th
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