トップ Profile オリジナル小説 二次創作トップ 頂き物・絵 頂き物・Text 掲示板 メール リンク ぶろぐ日記
黄金のプチねた#83あるかもしれない

 ふと見ると、連れて歩いていた薫がおらず、ギルガメッシュは立ち止まる。振り向けばすぐそこにいて、ショーウインドーを覗き込んで足が止まっているようだ。
 珍しいこともある。彼はそう思いつつ、おのが従者へ歩み寄る。
「どうしたのだカヲル?」
 声をかけると薫は我に返ったようにあたふたし、すみませんすみませんと頭を下げた。
「よい。許す故、何を見ていたのか我(オレ)に……」
 言ってガラスの向こうに視線を送ったギルガメッシュが見たもの、それは。

 ウルトラ合金スピリッツ、マジ〇ガーZ・デラックス。

「……」
「……」
 ちょっと冷たい王様の視線、全力をもって目をそらす薫です。
「カヲル、貴様は我(オレ)の従者であるのに何を見ているのだ。せめて人形とか服飾に心奪われろ。さすれば我が買って下賜してやるのにな」
 呆れた口調の王様に、しかし少女は口をとがらせた。
「お言葉ですが王様、ロボは男のロマンですよ。王様も男なら判るはずなのです」
 全くしょうのないヤツだ。ギルガメッシュは肩をすくめて歩き出し、自分を追ってトコトコ歩く薫を見やる。
 ロボだか何か知らないが、人形は人形だ。そんなものを好むのは、古代から女・子供と相場は決まっているものだ。
 そう思うならカヲルが人形に目をやるのも良いのだが、どうせならフランス人形とかいうやつにでもするがいいのだ。女子の部屋にロボというのは似合うまい。
 そんなことを思っていると、薫がギルガメッシュに訊いてきた。
「王様、お聞きしてもよろしいでしょうか」
 許す。そういうと、薫はぐっと拳を握りしめた。
「王様の宝物庫には、あらゆる財宝の原典があったのですよね」
「その通りだ。かつて我(オレ)は世界の全てを統べる王であった。故に後世、財宝と呼ばれることとなったあらゆるものは、我の倉より出た物だ」
 それを訊いた薫の顔が引き締まる。
「ということは、操縦型ロボットの原点であるマジンガ〇も、王様の宝物庫には存在するのでしょうか?」
「……なに?」
「いえ、そんなことないですよね? ロボは財宝とは違いますし、あっはっは。すみませんでした王様。さあ、先に行きましょう」
「待て、探してみる」
「待ってください!!!」
 ギルガメッシュの腕に言峰薫が飛び付いた。


あとがき
 流石にないと思います。いやしかし……。
2009.7/19th

トップ Profile オリジナル小説 二次創作トップ 頂き物・絵 頂き物・Text 掲示板 メール リンク ぶろぐ日記
inserted by FC2 system