黄金のプチねた#80〇〇シロウ
「ねえねえ。士郎、士郎」
ここは休日の衛宮邸、お昼も過ぎて穏やかな空気が流れている。
そんな中、縁側にいて大人しい切嗣を見ていた藤村大河が振り返る。そして士郎にニシシと笑った。
そんな大河を横目で見やり、衛宮士郎はお茶を飲む。どうせ何かくだらないことを思いついたに決まってる。
大河はお茶請けの花林糖を手に取った。黒砂糖が溶けて固まったそれを両手につまみ、大河はキリッと表情を引き締める。かりんとうを眉に当てるようにして。
「……お前はもう、死んでいる。あたたーっ!」
花林糖で眉毛を太くし、世紀末的なしろうさんの口調を真似ていた。
ぶはっと士郎は茶をむせた。
「げほっ、ぐはっ、げほんげほん。何やってんだよ藤ねえ?!」
「やったーっ。面白かった?」
どおどお? と、笑顔の藤村大河。その向こうには、切嗣が笑顔を浮かべて静かにこちらを眺めている。
大河の笑顔と花林糖の甘さが、士郎には少し切なかった。
あとがき
やったことないですか?(つまり管理人(私)はやったことあるわけですが)
2009.7/4th