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黄金のプチねた#68間食

 学校からの帰り道、道行きながら菓子パンにかじりつく少女が一人いる。何やら御機嫌のようであり、ふふんと歌を口ずさむ。
「らららこっぺぱん。らららこっぺぱん」

 —— ぱくっ ——

「んふふ、んふふふ、ふふーんふふふーん」

 —— もぐもぐ ——

「らららこっぺぱん。らららこっぺぱん」

 —— ごっくん ——

「ジャムもバターもあぅー」
 薫はコッペパンを片付けた。ぱんぱんと手を打って、次なるパンを手に取った。
「では次にチョココロネの歌を」
「そんな歌あるんだ。って、そうじゃなくって食べ歩きは止めなさい。はしたないわよ」
 基督教では「手で食べる」ことを人間だけに許された特別な能力と考えるので、食べ物に直にかぶりつくことを獣の所行として下品と見なす。吸血行為も同様。
 それはともかく。
「今晩はおじさまとガチなので、カロリーを貯めておく必要があるのです。ふっふっふ。今日こそは泣かす!」
「ハァ、怪我をしないでよ」
 凛がため息を付く先で、薫はドリル、もといチョココロネにかぶりついた。


あとがき
 らららこっぺぱん、チョココロネの歌。でググってみてください。
2008.3/3th

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