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黄金のプチねた#63品揃え

「へぇ、マサルさんはサバンナでライオンに噛まれたことがあるんですか」
 新都のアーケードを少年と少女が並んで歩く。少年は高校二年生。名をマサルと名乗った。
 彼は欲しい物があり、はるばるやってきたらしい。
 扱っている店は薫が知ってる店だったので、お礼もかねてご案内しています。
「ここです」
 一軒のショップへと、薫はマサルを引き入れた。
 スカーフやアクセサリー、化粧品やウィッグの向こうにその品々は置かれていた。
「おお、これは!」
 マサルがぐっと息を飲む。なかなかの品揃え。遠くまで来た甲斐がある。

 —— 付けヒゲのコーナーだった ——

 左右に伸ばし、上に跳ね上げて逆への字にしたカイゼル髭。
 長く伸ばして左右に流し、下に垂らしたどじょう髭。
 鼻下に、鼻の幅だけに刈り込んだちょび髭。
 もみあげと繫がったサイドバーン(ほおひげ)
 口の周りをぐるりと囲むラウンド髭。
 あご髭を長く伸ばしたヤギ髭(リンカーン髭)

 その他いろいろ充実の品揃えである。

 マサルはドジョウ髭を装備し、薫はカイゼル髭を装着した。
「どうですか?」
「グレイト! ナ〜イスセクシー!」
「サンキュー。ユー・セクシー、トゥー!」
 二人はグッと親指を突き立てた。


あとがき
 プチねたの上の方にある「ひげ」を書いた時点で予定リストに入ってました。もう一話(二話?)続きます。
2009.1.20th

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