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黄金のプチねた#52寝起き

 今日も朝がやってきた。カーテンの隙間から光が差し込み、窓の向こう側からチュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえます。
 そんな部屋ではあるのだが、部屋の住人はベッドの上で、毛布にくるまり眠っている。
 時計を見ると午前七時三十分。寝ている少女のいつもを知っているのなら、かなりの寝坊と言えるだろう。
 少女、薫は寝返りをうつが、それでも目を覚まさない。ぐうすか寝こけ、すうすうと寝息を立てている。

 ドアをノックする音がした。

 返事を待たずに入ってきたのは教会の僧衣に身を包んだ神父さん。言峰綺礼だ
 綺礼は寝ている薫を見下ろした。
 朝の務めや祈りをサボり、同居人の世話もせずに寝ていると何たる怠慢。父として神父として、この少女を導いてやらねばならぬ。
 決意と共にクククと嗤い、

 —— 毛布をめくって自分もベッドに潜り込んだ ——

「なにしてんですかぁぁああ?!」
 薫は飛び起き、毛布で体を包んだままで部屋の隅まで飛び退いた。
「ククククク、目が覚めたようだな。早く降りていくがいい、奴の機嫌が悪くなっている」
「誰のせいだと思ってるんですか?! おじさまと王様が二人してバックれたせいで、昨日は遅くまで書類に目を通していたのです!」
「おっといかん、祈りの時間が近い。薫、起きたのなら支度をしろ。遅刻などしないようにな」
 言って綺礼は一人スタスタ歩いて消えた。部屋の隅では毛布の中で、朝から血圧の上がった薫がこめかみをピクピクさせる。
「あぁぁあああ!!! もぉぉぉおおお!!!」
 蓑虫のように毛布にくるまり、ゴロゴロ転がる朝だった。


あとがき
 思春期の反抗期で言うこと聞かない子供が寝ているときに、親が添い寝をすると嫌がって起きてくる。効果的です。
 という番組をテレビで見たことがあります。……やられたら確かにイヤだと思う。
2008.10/30th
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