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黄金のプチねた#24パフェ

 喫茶店に片隅に、教会の神父とシスター姿の女の子、そしてスポーツカジュアルに身を包んだ金髪紅眼の青年の姿があった。
 そろそろ陽が落ちそうな夕暮れ時で、帰宅途中のサラリーマン達が見て取れる。
 そして実はこの三人もサラリーマン。といっても経営者サイドなのだが、とにかく会社帰りの三人なのだ。
「何にいたしますか?」

「珈琲を頼む」
「我(オレ)も珈琲だ」
「期間限定ジャンボいちごパフェをお願いします」

 かしこまりましたー。とウェイトレスが去っていく。
 保護者二人の生暖かい視線、それが薫に突き刺さる。
「……なんですか?」
「「いや、なんでもない」」
 拗ねた口調の薫の問いに、神父と王様はクククと笑う。
「この体は成長期なのです。お腹が空くのですよ」
「ククク、そうだな。なに、構うことはない。存分に食うが良い。女の子は甘いものは別腹というからな」
「ククク、カヲル、気にせず甘いものをむさぼるがいい。なにせ女の子だからな。ハハハハハ」
 素敵な笑顔の保護者達に、しかし薫は怒るのだ!
「女の子は関係ありません「前から」甘党だったのです」
「「ハハハハハハハハハ」」
「なぜ笑うのですかっ! たまたま甘いものが食べたくて、たまたま期間限定品に目がいっただけですっ!」
 くわっとその目を見開いて、薫は二人を威嚇する。しかし大人は怯まない。笑顔で子供を迎え撃つ!
「気にするな薫。しかし今食べては夕食が入るかどうか心配だな」
「問題ありませんおじさま。それこそ別腹です」
「カヲルよ、その「ベツバラ」というのはいかなる魔術だ?」
 笑いながらも思案顔のギルガメッシュに言峰綺礼が嘘をつく。
「ふむ、それは私が教えてやろう。別腹とはな、女の子にだけ使うことが許された胃袋魔術だ」
「そうか」
「うそです!!! というか王様、それは絶対嘘と判っているでしょう?!」
「なんのことだ? あまりに辻褄があって疑わしいことなど何もない。そうか女の子の胃袋魔術か。それなら我(オレ)が知らぬのも当然だ」
 はっはっは。楽しそうなマスター&サーヴァント。顔の引き攣る薫など、まるで気にしておりません。
 どうせなら夕食も済ますかということになり、ウェイトレスを呼び止める。
「赤いライスカレー、金ぴかオムライス、それとお子様ランチを頼む」
 ぶっとむせる薫を無視し、綺礼はウェイトレスを行かせてしまう。ぎゃーすぎゃーすと騒がしいテーブル席に、周囲の客から生暖かい視線が注がれた。


2008.4/19th
 お子様ランチには年齢制限があったような気がします。

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