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黄金のプチねた#09こうもりさんの朝

 言峰教会、地下礼拝堂の奥にある。ここは秘密の「玉座の間」吊されたシャンデリアは絢爛と輝き、その光は例え深夜であっても絶やされることがない。
 たった三人しか知らない王国の王様が、奥の玉座に腰掛ける。ギルガメッシュは目を閉じ足を組み、微動だにせずそこにいた。
 英霊の顕現体である冬木の聖杯戦争システムにおけるサーヴァント・アーチャー。更に聖杯の中身を浴びて受肉した彼は、魔力さえ供給されれば睡眠も休息いらず活動できる。
 しかし彼はそれを良しとせず夜には教会に戻ってくつろぎ眠る。
 居住棟にも寝室を持つのだが、こうして玉座に座して朝を迎えることも多かった。
 チリチリと目覚まし時計の音がした。もぞもぞ動くものがある。
 玉座の横のジャンボクッションに、こんもりふくらむ丸い山、毛布の下から手が伸びて、目覚まし時計を止めました。
 頭を出すのは女の子。王様に仕える言峰薫、その人でした。毎日ではないのだが、薫は時々ここで寝ていた。
「ふぁ、おはようございます王様」
 三つ指ついて深々と頭を下げて礼拝する。神様に逆らってはいけません。
「うむ」
 ギルガメッシュは頷き、薫の頭をグリグリなでる。寝起きの薫は力が入らず、頭がグルグル回ります。
 薫はカーディガンを羽織って立ち上がり、改めて一礼してから退出する。朝のお勤めをするのです。
 薫は結局シスターにはなってない。会社を立ち上げ、名目上社長になってしまったので止めておけということだ。
 さらに言うなら薫は魔術師の弟子で元代行者の養女である。「こうもりさん」をやるならシスターにならないほうが良いだろうということらしい。
 表向きは魔術協会所属、事実上は聖堂教会所属。それが綺礼の立ち位置だ。
 表向きは遠坂の弟子、事実上は聖堂教会関係者。薫はそれを狙っている。
 ともかくここは教会で薫の養父は神父です。だから薫はお祈り、お掃除、その他の雑事をこなします。
「さーて今日もお仕事お仕事」
 薫は伸びを一つして、地下礼拝堂の掃除にかかった。


あとがき
 薫の暗躍は続く。みたいな。
2008.2/11th

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