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黄金のプチねた#07 変化魔術
これは間桐の家に色々あった後のお話。
なんだかんだで魔女たちの集いは続いています。凛と桜、そして薫の三人は、日差しの柔らかくなった秋の公園に集まって、お茶とお菓子で歓談している。
凛は少々ムスッとした顔で、桜に講義をしています。桜は小さくなってそれを聴く。
「まあまあ凛、その辺でいいでしょう?」
薫はスッとお茶を出す。桜はホッとした顔になり、凛は薫にむくれてみせる。
「だって薫! 桜ってば魔術の基礎知識がぜんぜん無いじゃない!! まったく間桐の家はどうなっているのよ!!!」
「まぁ、間桐にも色々と考えがあるのでしょう。実技重視のようですし」
「でも薫! 知識が薫と同レベルなんて許せないわ!!!」
「……桜ちゃん、旅に出ようか」
「……はい」
「待ちなさい。怖くないからいらっしゃい。うふふ」
おいでおいでを繰り返す遠坂のボスから、桜と薫は距離を取る。
「で、変化の魔術とは形を変える魔術じゃなくて、概念を付け加えて「ありえない効果」を発現させる魔術なの」
ふんふんと頷く桜ちゃんと、うむうむと頷くと言峰薫。そして薫は立ち上がる。
「よし! 桜ちゃんに私が変化魔術の極みを見せてあげましょう!!!」
「薫さんは変化魔術を使えるんですか?」
「フッ。こうみえても私は変化魔術にはちょっとうるさいですよ」
髪をかき上げニヒルに笑う薫です。そんな薫に桜はちょっと感心する。そういえば薫は紙を礼装にする強化と変化の錬金術師だと凛が言っていたような?
「まさか薫?! 貴方あれをやるつもりなの?!」
凛が一歩下がって仰け反っていた。
「見よ! 言峰流変化魔術、その極みを!!!」
くわっと薫は目を見開き、己の頬に指をやり。
ーー おもちほっぺ、びよーーん ーー
薫のほっぺが左右に軽く一メートルほど広がった。
桜の頭の中で音がした。びきっと確かに音がした。
魔術、魔術、魔術、えーと魔術って何でしたっけ? あはははは。おじいさまー。慎二兄さーん。お花畑キレイになりましたねー。来年の春用にチューリップをたくさん植えましょうねー。コスモスとかも素敵ですー。
「あははは。まとーのお家はお花のお家ー」
目の焦点が合ってない桜に、薫はボソッと呟いた。
「ぬぅ、ちょっと刺激が強すぎたか?」
「ああっ! 桜大丈夫?! 桜? さくらぁぁああ!!!」
あとがき
これも魔術の可能性?(没ネタの拾い上げです)
2008.2/11th