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黄金のプチねた#04 節分

「今こそまさに下克上! 虐げられた者達よ!! 逆襲の時は来た!!!」
 おおーっ! と声を上げるのは、丘の麓の孤児院の、ここに集った女子チーム。
 率いているのも女の子、尼僧服に身を包み、なぜか頭に青鬼の仮面を帽子のように被っています。
 鬼の面を付けてるクセに、手には豆の入った升を握って気勢を上げる。言峰薫は燃えている。

「フッ。従者風情が謀反とは片腹痛い。良かろう。王の力というものを今一度知らしめてくれる良い機会だ。真の支配者たる我(オレ)の力、今一度見るが良い!!!」
 偉そうにふんぞり返るのはギルバート・キングを名乗る大きな王様ギルガメッシュ。その頭には赤鬼の仮面が帽子のように載っていた。
 彼の周りには男の子が集っていたが、向こうに比べてその士気は微妙に低い。
 ギルー、遊ぼうぜギルー。ギルの升だけ金ピカだぜ、馬鹿っぽいぞギルー、なぁ俺もう豆撒きは卒業したんだけどやんのかよギルー。
「はっはっは。我が兵達よ、勝利の暁には好きなだけお菓子を買ってやろう」
 よーし俺はやるぜギル。お菓子かよ、オモチャも付けろよ王様だろギルー。

「子供をお菓子とオモチャで釣るとはなんたることかっ! 王様!! 見損ないました!!!」
「何を言うか! 恩賞をくれてやるのも王の役目ぞ。カヲル、貴様も一国の王(社長)なら、その程度は弁えよ」
「くっ」
 薫とギルガメッシュは向かい合い、女の子チームと男の子チームがまさに豆撒き合戦の火ぶたを落とそうとじりじり距離を詰めだした。
 戦いの時は訪れた!!!
「攻撃開始!!!」 「「「「おおーっ!!!」」」」
「蹴散らせッ!!!」「「「「おおーっ!!!」」」」

 孤児院に豆が飛びまくった。

 部屋の端っこにいた院長先生は頭を抱えている。
「……言峰神父、これは節分じゃないと思うのですが?」
 院長の隣には言峰綺礼が喉を鳴らして笑いながら立っていた。
 キング・グループを通して多額の寄付金をくれる言峰教会の住人達、キング兄弟はお土産を持って良く来てくれて、子供達と遊んでくれる。薫ちゃんもキング氏と時々一緒にやってくる。
 しかしキング氏、つまり大人の方の王様が来るとなぜか遊びが暴走気味になるのはいかがなものか?
 言峰薫に相談すると「ごめんなさい」としか返ってこない。
 ……諦めるのも大事かな。院長先生は思うのでした。

「突貫ーっ!!!」  「「「「おおーっ!!!」」」」
「全力死守ーっ!!!」「「「「おおーっ!!!」」」」


あとがき
ギルガメッシュは子供達と遊んでいるということで。
2008.2/4th

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