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自主規制小品:黄金のおまけ4.5 これが悪夢の薫ルート


 第五次聖杯戦争は始まった。
 聖杯に選ばれし魔術師達が、英霊の顕現体たるサーヴァントを召喚し、夜の街で超常の戦争は繰り返される。
 そんな中で少年は少女と出会い、己の欠けた心を埋める断片を手に入れる。

 ……はずである。

 衛宮士郎と遠坂凛、マスターとなった二人の前に言峰薫は現れた。
 坂の上に立つ言峰薫は宵闇色の尼僧服に身を包み、二人の前に立ち塞がる。手にしているのは黒鍵と呼ばれる両刃の細身剣。
 そして彼女が引き連れるのは、疾き槍兵のサーヴァント・ランサー。赤き呪いの槍を掲げる青き戦士、クーフーリン。
「いくぜアニキ!」
 気合いの入った薫の声、しかしその後ろのランサーさん、うんこ座りで口をへの字にしています。
「嬢ちゃんよぉ、その兄貴っての何とかなんねぇかな」
「どうしてですかアニキ?! アニキをアニキと呼べないのなら、私はアニキを何と呼べば良いのです?!」
「いや、ランサーでいいぜ、というかランサーと呼べよ、普通に」
「判りましたアニキ!」
「いや判ってねぇだろ」
 気合十分、あるいは過剰な薫の後ろで、ランサーは槍の束頭を使って地面に落書きしています。いや、ルーンで必勝祈願かもしれませんが。
 そんなランサーの隣に薫も一緒に、うんこ座りでひそひそ話。

(なんですかアニキ? バゼットはちゃんと治療したじゃないですか、色々ありましたが納得するって約束ですよ?)

 ひそひそ。

(まぁ、隙を突かれたとはいえ負けは負けだ、令呪も取られちまったし主替えを令呪でやられちゃ、いやとも言えねぇしなぁ)

 ひそひそ。

(これも戦いでのことだからと、お互い協力して勝利を目指す約束ですよアニキ!)

 ひそひそ。

(いやだからそのアニキってのはよぉ)

「さあ逝きますよ! アニキィィイイ!!」
 薫は立ち上がった! その瞳が燃えている!!
 しょーがねーなー。とランサーも立ち上がる。赤い槍を一降りし、ランサーはセイバーに穂先を向けて言い放つ。
「というわけで、来いよセイバー」
「何を言っているのかよく判りませんが、いいだろう。いくぞランサー」
 不敵な笑みを浮かべたランサーの視線の先、そこに佇む黄色いコートの小柄な少女こそ、衛宮士郎に召喚されし剣兵の英霊、サーヴァント・セイバーだった。
 セイバーはセンスの悪い黄色いコートを投げ捨てて、横に動いたランサーに肉薄する! この夜、伝説の英雄が激突する神話の戦いが現代に展開される!!!

 そして薫と凛、魔術の弟子とその師匠が魔術戦を開始した。
 遠坂凛の左腕に刻まれた魔術刻印が光を帯びて浮かび上がり、神秘の魔術を紡ぎ出す。繰り出されたのはガンドと呼ばれる呪いの弾丸。凛のガンドは唸りを上げて言峰薫に襲いかかる。
 しかし凛が魔術師であるように、薫もまた、神秘の力を自在に操る魔術を修めた使い手だ。

「ウサギ、ぱーんつ!」

 叫んだ彼女がくるりと回転。その瞬間! 型月世界の根本法則「絶対領域」の封印が解け、一瞬見える薫ちゃんのプリントぱんつ。ああそれはひょっとして格闘ゲームのカットイン・エフェクトなのか?!
 ぴょんこぴょんこと跳ね回り、ガンドの呪弾を華麗に可愛く避けまくる魔術師(?)薫。
「くっ。このぉー」
 凛はさらに魔術の回転を上げて、ガンドの呪弾を撃ちまくる。

「ちぇーんじ! カモシカ、ぱーんつ!!」

 やはりくるりと回転すれば、一瞬見えるチラリズム。カモシカぱんつに穿き変えた薫は、ウサギぱんつ装着時を上回るハイスピード・ステップを以てガンドの呪弾を避けまくる!
「くっ。こっ、このぉーっ!!!」
 凛はガンドを撃ち続ける。なぜか口元を抑えていますが。
「ちぇーんじ! ペンギン、ぱーんつ!!」
 地面に腹ばいになってするすると滑って呪弾を避ける薫。その姿はまさに氷上を華麗に滑空するペンギンさんそのものだ!

 ーー プリントぱんつを瞬時に履き替え、ぱんつに描かれた動植物の能力を発揮する言峰薫の特殊な魔術 ーー

 ーー 恐るべし! ぱんつ魔術!! ーー

「ぷぷぷぷぷ、薫、それ反則よ。ぷぷぷぷぷ」
 凛がお腹と顔を押さえて小刻みに体を震わせ、衛宮士郎が赤くなった顔を背けていた。薫はぷるぷると肩を振るわせ、遠坂凛を睨み付ける。
「誰のせいでこんな魔術になったと思ってるんですか?! おじさまと二人がかりで毎日毎日ぱんつぱんつ。おかげで教会からも協会からも笑いものです。……ふふふ」
 この野郎と言いたげな言峰薫。ぷぷぷと漏らす遠坂凛に、衛宮士郎は目を向けた。
「……遠坂、お前」
「だって、だって面白かったんだもの!!! 衛宮君もそう思うでしょう?」
 コイツひでぇ。憧れの女生徒「遠坂さん」の実体、それはあくまであると知った士郎であった。それから同意を求めるのは止めて欲しいと思います。返事に困るので。

 弾けろ! ソラマメ、ぱーんつ!
 豪腕の! ゴリラ、ぱーんつ!
 転んでしまえ! バナナ、ぱーんつ!

 ちょっと離れた場所ではランサーが笑い転げ、セイバーがあっけに取られて戦闘は小休止。
「ははは。あっちは面白そうだな。そう思わねぇか? セイバー」
「なんと破廉恥な! あれがこの時代の魔術なのですか?!」(大間違い)

 激しく続いた戦いの中で、ついにランサーは敗れる。

「アニキ! アニキィィィイイイーーー!!!」
「……すまねぇな嬢ちゃん。ちょっと面白かったぜ、ぐふっ」
「大丈夫ですアニキ! ぱんつ共鳴蘇生魔術でアニキもすぐに元気になります!
 さあアニキ! 俺とアニキでペアぱんつ!! ツインぱんつだ!!!」
「……嬢ちゃん、俺はもうダメだ、……がく」
「アニキ! アニキィィィイイイーーー!!!」
 消えゆくランサーの頭に必死にぱんつを被せようとするマスター。
 アシカぱんつを被ったランサーは笑顔で消えていった。

 ーー アニキ、安らかに眠れ ーー

 聖杯戦争は止まらない。しかしその在り方は明らかに歪んでいった。終局が近づくにつれ、闇に蠢く不吉な影が増えていく。
 そしてある日、街の住人を襲う魔物が空を覆うほどの大群で現れた。その魔物はワイン色とも血の色とも見て取れる半透明の赤いクラゲのような化け物だった。
 ふわふわぷよぷよ漂いながら人に近づき、頭上から襲いかかるとあら不思議。下半身の服があっという間に溶かされて、プリントぱんつが穿かされてしまうのだ。 なんという恐怖!
 街のあちこちで、惨劇が繰り広げられる。

 は、か、な、い、か、?

 ズキュゥゥゥウウウーーーン!

 ああーーーーーーーっ!!


 は、か、な、い、か、?

 ズキュゥゥゥウウウーーーン!

 ああーーーーーーーっ!!

 阿鼻叫喚の地獄の風景が出現した。
 ……ぱんつ穿かされた被害者達が微妙に幸せそうにしているのは、見ない方向でお願いします。

 ぱんつクラゲ(仮)の発生源たる柳洞寺、そこに向かった士郎と凛、セイバーとアーチャーが見たもの。それは赤黒く煮え立つ池からわき出るクラゲの群と、虚ろな表情で佇むランサーのマスター言峰薫。そしてもう一人。
 大人の女性も恥じらうようなセクシーなランジェリーとネグリジェに身を包んだ薫を抱きすくめていたのは、黄金の鎧に身を包んだ金髪紅眼の青年だった。
 すなわち、前回の聖杯戦争でアーチャーとして召喚された英雄王ギルガメッシュ。
「あ、あなたはキングさん?!」
 驚愕の声を上げる凛。
「知っているのか遠坂?!」
 士郎の問いに、彼女は悲痛な顔で語る。
「ええ。薫が懐いていた人で教会に大金を寄付しているの。よく食事をご馳走してもらったわ。おだてると宝石をくれる、割とチョロい人よ」
「……遠坂」

 ーー いいかい士郎。女の人には優しくしなくちゃいけないよ。あとで損するからね ーー

 親父、女ってのは俺たち男が思ってるほど弱くないんじゃありません? 衛宮士郎は思いました。

 熾烈な戦いの中、一瞬の隙を突かれ危機に陥る士郎と凛。二人を庇ったセイバーはぱんつを穿かされてしまう。
 腰砕けになって地面に座り込むセイバー。そのおしりに描かれているのは子猫プリント、いかなる神秘かこの子猫、にゃーにゃーと声を上げて鳴くのです。
 セイバーは必死に立ち上がろうとするのだが、にゃーにゃーと鳴く子猫ぱんつに彼女は力が入らない。
「ああシロウ。私はもうダメです、子猫ぱんつを穿いてしまった私には、剣を振るうことなど出来ない」
 にゃーにゃー。ああーっ。なぜか笑顔で転がるセイバーさん。
「いいざまだな騎士王。それで王とは嗤わせる。どうだ、我(オレ)が十年かけて育てた我の従者のこの力。最強のセイバーとて敵うまい。ハハハハハハハハハ。よくやった。褒めて遣わすぞカヲル」
「……はい。王様」
 ギルガメッシュの腕の中、薫の顔は上気し潤んだ瞳で見上げ、王にしなだれかかる。焦点の合わない瞳の彼女には果たして理性が残っているのだろうか?

 何もかもがおかしい! 士郎は一歩を踏み出した。俺が戦う!!

「待て、貴様のような小僧がこの局面で何が出来るというのだ? ここは私に任せてもらおう」
 そう言い放って進んでいく赤い弓兵。
「アーチャー?!」
 凛の声にも振り返らずに、アーチャーは進んでいく。そこに襲いかかるクラゲたち。だがしかし! 彼は手にした双剣を以て赤黒いクラゲを切り裂いた。
「ほう。これに汚染されないとは大した精神力だなフェイカー」
 ニヤリと嗤う英雄王ギルガメッシュ。だが赤い弓兵はフッと鼻で笑って肩をすくめた。
「こんなもので汚染されるほど、私は軽い存在ではないぞ英雄王。私が歩んできた地獄のような人生は、ぱんつ如きで腰砕けになるような生やさしいモノではなかったということだ」
 ギルガメッシュは、この言葉に凶相の笑みを浮かべて身構える。
「ハハハハハ、贋作者の分際でよくもほざいた! 雑種如きが地獄の人生とは嗤わせる。いいだろう貴様の苦悩を我(オレ)に示すことを許してやろう。せいぜい我を笑わせろ!」
 にらみ合う黄金のアーチャーと赤いアーチャー。
「いくぞ英雄王! とうっ!!」
「来るがいいぞフェイカー! とうっ!!」
 最後の戦いが始まった。

 声と共に赤い外套をズバッと脱ぎ放ち、鎧もズボンもシャツまで脱いで、赤いフンドシ一枚になって腕を広げる白髪で色黒肌のマッチョマン。アーチャー。
 ーー 体は〇〇〇で出来ている ーー
 浮かび上がる。ぱんつ、ぱんつ、ぱんつ。

 そして、かけ声と共に黄金の鎧を消し去り、肉体をさらけ出した英雄王。その股間に輝く黄金のビキニぱんつ。
 ーー 王の財宝(ゲート・オブ・〇〇〇) ーー
 光の中から出現する。ぱんつ、ぱんつ、ぱんつ。

 黄金のビキニぱんつ vs 真紅に染まったフンドシ(ジャパニーズ・クラシック・ぱんつ)が激突した。
 飛び交うぱんつ。弾けるぱんつ。火花を散らす、ぱんつぱんつぱんつ。
 顎が落ちて身動きできないマスターさん達を余所に、数多くの不思議ぱんつを撃ち合う二人の男はヒートアップを続けていく。
「互角だと?! ええい贋作如きになぜ押される?!」
 忌々しげな声を上げるギルガメッシュに、赤いアーチャーは不敵な笑みで宣言する。
「ギルガメッシュ、お前は所有者に過ぎん、お前のぱんつには歴史がない。使ってこそぱんつ。穿いてこそぱんつ。お前のぱんつはオリジナルであっても使い手の物語が欠如している。
 教えてやろう。使用済みのぱんつは未使用のぱんつを凌駕すると!」
 そう言ってぱんつを手に取るアーチャー。
「例えばこのぱんつだ。凛。この黒いレース、背伸びした気持ちは判るが今の君にはまだ早い。こちらのストライプは君か桜、清楚さの中に不思議さを感じるナイスチョイスだ。むむっこの紫はライダーか? 普段は安物を穿く貴様だが、この紫には君の秘めた情熱を感じざるをえない。そしてこの白、セイバー、君を汚すことなど誰にも出来ないだろう。……おっとヨダレが」
 さっと素早く口元を拭うアーチャーを、ギルガメッシュは睨み付ける。
「なんとうらやましいヤツだ!! その情熱だけはみとめてやろうではないか、フェイカー(下着泥棒)!!!」

 それは違うだろう。そう言ってツッコミを入れて欲しいのですが、士郎と凛は頭痛に襲われ動けない。

 苛立つ黄金の英雄王は、光の門の向こう側から三枚重ね、トリプルぱんつを抜き取った。
 それはカヲルが十年の従者生活の果てに辿り着いた、笑顔マークの流星ぱんつx3。
 ☆の中に描かれた笑顔の理由を、一体誰が知るだろう。回転すると同時に振りまかれる輝きは、きっと薫の涙で出来ていた。

 ーーー 天地乖離す (すでに薫は) ーーー

  ーーー 開闢の星 (あきらめました(涙))ーーー

 唸りを上げて時空を切り裂く流星ぱんつx3

 迎え撃つ赤い弓兵は自分自身の心の中から、一枚の純白一点ものを抜き放つ!

 ーーー 約束された (きっと白だと) ーーー

  ーーー 勝利の剣 (信じています!) ーーー

 彼女の気高い誓いが、星の輝きを集めて形となった純白のぱんつは、閃光となって突き進む。
 流星の一枚を突き破り、二枚目を微塵切りに変えていく究極の白。しかし一枚のぱんつは薄くても、三枚のぱんつは破れない!!!
「フハハハハハハ! ここまでのようだな!! 消えるがいいフェイカー(下着泥棒)!!!」
「くうううううっ!」
 得意絶頂の英雄王と、苦痛に顔を歪める赤い弓兵。ちなみに士郎と凛はもうどうでもいいかな、と思っているかも知れません。

 だがしかし! 姿を現す ーーー 全て遠き理想郷 ーーー

 それは彼女の(自主規制・あっは〜ん)が(自主規制・うっふ〜ん)よって(自主規制・いや〜ん)の(多重次元屈折現象・もぅダメ〜)それが(絶対領域・封印指定・ちゅっ)見るがいい(管理人にも世間体というものがあるのです・ぴーーー♪)

 ……戦いは終わった(色々と申し訳ない)

 ギルガメッシュとアーチャーがセイバーと凛にボコられているその後ろ、薫は顔を地面にすりつけて、土下座しながら痙攣している。
 天に向かって高くかかげたお尻の先に、ビーチボールをのせて左右に振るなら「形態模写、オットセイ。ばぅばぅ」とか言ってウケをとれるかも知れません。


ーーー という夢を見た言峰薫、初等部二年の夏。聖杯戦争開始まで、あと9年5ヶ月 ーーー



〜〜 その三。これが悪夢の薫ルート 〜〜
 色々な意味でごめんなさい。自分でもこれはやりすぎだと感じてます。しかし一度は意図的にこういうのを書いておかないと、本編が狂ってきたときに気付けないのではないかと思い、意図的に電波系にしてみました。
 反省してます。でも書いていて面白かった。
「Fate/黄金の従者」は二次創作であり、かなりのゲテモノだと自負しております。
 つまり原作とは無関係。当作品から原作を想像しないでくださいね? Fate/stay night は感動的な伝奇アクション・ビジュアルノベル・ゲームです。いや本当に。
 これでぱんつネタは卒業させてください、色々と限界ですw 便利だったよ、ありがとうぱんつ。(でも時々使うかも)
 言っておきますが、このような話を書いたということは、これが没ルートだということでもあります。ここまで狂った本編は書くほうとしてもかんべんしてくれでしょう。
 「Fate/黄金の従者」はストーリー展開はシリアスに、ネタはちょっと面白く。を目指しております。


 それにしても、うつ傾向のある私がこんな作品を書くとは自分でも信じられない。これが小説の魔力をいうものか?!
 ペンが滑っていくこの感覚。小説書きの醍醐味ですね。キャラが書き手の制御を超えようと暴れだすのも楽しくなってきました。
 といってもプロットは意地で通してますが。
(聖杯戦争までの時間は、高等部二年で「一八歳」の計算だと九年五ヶ月です。「十年前」ですので一応こうしました)
2007.11.3th
追記:Re.Act編のおまけで「ホウキ少女まじかるアンバー vs ぱんつチェンジャーみらくるカヲるん」なんて書いたらヒンシュクかな〜などと、いえ、げふんげふん。

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